誰のためのジェネリック

『こんばんは!加山雄三です。24時間テレビのサライはみなさん歌って頂いたでしょうか?お医者さんの薬代がジェネリック医薬品を使うと安くなります。みなさんジェネリック医薬品を使いましょう!』

なんて(?)コマーシャルが最近本当に増えましたよね。

本当にそうなのか?なんの意味があってこんなコマーシャルが流れているのか?薬剤師の視点から今回は書きたいと思います。

そもそも、医薬品は膨大な時間(15~18年)と開発費(150~200億)を使って開発されるのですが、成分開発してから20年間は開発メーカーに製造特許があり他のメーカーは製造出来ない仕組みになっています。

特許が切れるとそれを真似て開発費も時間もかけずに色々なメーカーが作り出す、その医薬品のことをジェネリック医薬品というわけです。

そして数十というジェネリックメーカーが存在し、薬価(薬の値段)の少し安いA社のジェネリック薬やだいぶん安いB社のジェネリック薬というような多種あるのが現実なんです。ということはメーカーの質によっては、ちゃんとしたジェネリック薬や粗悪品のジェネリック薬があるとは思いませんか?

また最近、コマーシャルが多いのは厚生労働省の医療費抑制政策という国の意図と、あるジェネリックメーカーの関係者が国会議員であるため、議会からの圧力があいまって推進している側面があるようです。

医師もCMで言われているように患者の負担が軽減されるという経済的側面と、ジェネリック薬の特徴(剤形の小ささや味など)によって使用しているという薬剤的側面と、一部のジェネリック薬(安売りジェネリック)には薬価差益がまだかなりあるため使用しているという利益的側面(院内処方の場合)、と多面的な理由から使用されている現状です。

しかし最近になって大手の医薬品メーカーが自社品の製造をジェネリックメーカーにアウトソーシング(外部発注)するケースが増えて来て、確実にジェネリックメーカーの質が向上してきているのも現実です。

例えば、重要度の高い薬はブランド薬(開発メーカー薬)、それ以外の薬は信頼出来るジェネリック薬、などという様に上手く使い分けるという考え方もできるわけですし、今後ジェネリック薬は使用される頻度は確実に高くなると予想されるので、患者の目線に立ちコストを重視した方がいいのか?信頼性を重視した方がいいのか?など複雑な情報を正確に管理し、患者さんに適切に開示し、説明する役目が必要になるわけで、それは私が思うに薬剤師が適任だと思います。みなさん薬剤師に相談してくださいね!

何故、薬剤師が適任かは次回のコラムでお話したいと思います。