誰のためのジェネリック 2

前回ジェネリック医薬品の選択について、患者の目線に立ち、コストを重視した方がいいのか?信頼性を重視した方がいいのか?など複雑な情報を正確に管理し、説明する役目は薬剤師が適任だと言いましたよね。

これが近い未来の話、実は処方せんの薬剤選定に薬剤師が大きく関わるようになるんです。

というのも、最近関東の一部で始まった一般名処方と代替調剤が、いままでの薬剤選定を大きく変える可能性を秘めているんです。

一般名処方とは、医師が医薬品を成分名で処方し薬剤師が患者と話し合い、ブランドメーカーの医薬品にするかジェネリックメーカーの医薬品にするかを決めるシステムのことで、代替調剤とは、医師がメーカーの商品名で医薬品を処方しても、薬剤師と患者の話し合いにより同一成分の他のメーカーの医薬品に変更が出来るシステムのことです。

どちらも大事なことは、薬剤師が的確に開示また説明した情報をもとに、最終消費者である患者が自ら決定することです。

しかしながら、現在その決定に薬剤師が大いに関わっているかと言えばそうではないのが現実です。実際は診察室で医師と患者の間で薬剤選定が行われていて、それは前回申し上げたような利害が絡んで全てが患者の側に立った決定ではない状態と私は思うわけです。

では、薬剤師はというと、ジェネリック医薬品を調剤してもブランド医薬品を調剤しても技術料は同じですし、自ら薬剤決定権(診断して薬剤を決める)はないわけですから、同じ薬をたくさん使って薬価差益(薬を安く仕入れて国に定価で保険請求した差額)を出すことは出来ず、そこに利益が生まれることはありません。

ということは、純粋に、薬物治療上必要な薬剤選定(ジェネリックかブランドか)を、患者の立場と医療の立場を中立的に考えることが出来る唯一の職業ではないでしょうか?

ただし、このことを実現するには必要条件があります。

それは薬剤師の能力向上です。

今まで薬剤師は処方せんに書かれている医薬品を間違えなく調剤し効能や副作用を説明するだけで良かったのですが、今後一般名処方と代替調剤が広く行われるようになったら、的確な薬剤情報を患者に提供出来るかどうかが非常に重要になります。それによって各薬剤師の実力の差がかなり出てくる気がしますね。

そしてその実力のある薬剤師だけが、患者さんにとってのかかりつけ薬剤師(薬局ではなくて)に成り得るのではないかと思います。
グリーンメディックスタッフは選ばれる薬剤師を目指しています!