中尊寺ゆつことナンシー関

1月31日、中尊寺ゆつこさんがS状結腸癌で亡くなられました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

今回、中尊寺さんが亡くなった時にとっさに頭によぎったのがナンシー関さんでした。

お二人とも私と同世代で親近感があったのも事実なのですが、もっと感じていたのは文章を拝読した時の物事や時代への距離感と角度(ユルサとキツサ)でした。

具体的に言うとネタとしての指摘の的確さと適度なユルサと(客観的判断と全体的判断)と問題提示の距離感(時代という大きな視点と日常生活レベルでの小さな視点の両者を意識している)と物事に対しての自分の判断(自己を理解した上での判断)、という社会に属して生きている者の不可欠の能力を正論からずらしながら絶妙に文章化されていることでした。(当の本人たちは社会に属していないタイプだったように思えるが)

そういう意味では、課長から取締役になった島耕作のように会社という社会に取り込まれながらの生き方でない、女性という中立にたったオヤジギャルが今後の時代をどう生きて行くのかを見たかったのは私だけではなかったと思います。

しかしながら、我々新人類と言われた世代が今社会の中核になってきているなかで、社会とどのような距離感と角度をとるかは非常に問題であり、中尊寺さんやナンシーさんのように時代という大きな流れと日々の小さな出来事をいかに融合させて自らの判断を提示していくということがますます我々に必要とされる世の中になると思います。

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中尊寺ゆつこ
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