アメリカでの新生活(3)

今、引っ越しの準備をしています。というのも研究室がフロリダのジャクソンビルにある研究所に来月から移転することになったからです。フロリダというと映画とかでよく出るマイアミやディズニーランドがあるオーランドが有名ですが、ジャクソンビルはあまり聞いたことがないのでどんなところ調べてみると、フロリダ州で北部に位置する大西洋沿いのビジネスシティとのことです。それでもアメリカの中ではマイナーな都市のようで、地球の歩き方(アメリカ全土版)には掲載されていません。大きな大学がないせいか今の町に比べると日本人は少ないようです。ただ米軍の基地があるので日本人妻の方達が結構いると聞きました。緯度はちょうど日本の奄美大島あたりなので結構暑いのだと思われます。

現地で住むアパートを見つけるため先々週に飛行機で3日間の旅程でジャクソンビルに行ってきました。旅費は研究所から頂ける分気が楽でした。アトランタ乗り継ぎでおよそ合計4時間ほどの船旅でした。現地に着くとやはり暑いし、太陽光も強かったり、ヤシの木が生えていたり、南の国の雰囲気を感じました。町は電車やバスなどの交通機関が未発達であり、レンタカーを空港で借りて移動することになりました。リゾート気分と行きたいところでしたが、聞こえてくるラジオ局の音楽は黄昏を感じさせるもので、これからの生活が多少なりとも不安になりました。研究所の敷地内にあるホテルに向かう間に見た風景は、ちょうど日本の実家の近くの風景のような郊外型タウンといったものであり、研究所に近づくにつれ雑木林が多くなり、南国リゾートの高級ホテルというよりは熱海の保養所に向かっているかのような感覚を覚えました。研究所(病院と併設)の周りは阪大以上に何もなく、ここである意味タコ詰めになって研究するのかと思うと、暗くなる気持ちもありましたがやってやろうという気持ちも生まれました。実は日本の有名な研究機関もこのような辺境の地にあることが多いのですが、このような環境は研究意識を刺激するということでしょうか?

見つけたアパートは良さそうなところで、この辺りのアパートはほぼどれもフィットネス、プール、テニスコート、広い駐車場などが備えられており、当然部屋も広く、また家賃も比較的安いので、日本よりもかなりコストパフォーマンスがよいように思われます。引っ越したらもっと詳細にまた紹介するかもしれません。ここは熱海のようにも見えますが、実際には海が近いのがいい点ではないでしょうか。。僕自身は海がない県で育ったので、それほど海に愛着があるわけでもありませんが、広い大西洋の海を見ると自然はすごいなと実感できます。

また引っ越したらいろいろ紹介することになると思います。

元の町に戻りますが、先週は前回も紹介したYさんに誘われて近くの(それでも100km近く家から離れていますが。。)果樹園にリンゴ狩りに行ってきました。こちらでもフジというリンゴが結構人気があるようです。やはり取り立てのリンゴはおいしいことを実感します。余談ですが、アメリカの人たちは、日本人以上にリンゴをそのまま皮をむかずにかじって食べます。ランチとかでリンゴが1個そのまま付いてくるというのが結構あります。僕もこちらに来てから皮を気にせずそのままかじって食べるようになりました。昔、農薬がついているから皮は必ずむいて食べなさいと教わりましたが、その教えはどうなったのでしょうか。。

こちらの町は、ジャクソンビルとは異なり海はないのですが、住む人はやはり海(川ですが。。)が恋しくなるようです。リンゴ狩りの帰りにミシシッピ川沿いにあるワイナリーにて食事しました。中流であるにもかかわらずミシシッピ川がまるで海のように見え、なぜか郷愁を感じました。日本のガイドブックにはあまり載っていないところでもアメリカの自然は十分満喫できるようです。